想い出のすぐそばで

2007年11月21日 20:14

昨夜、夢を見た。

とても切ない気持ちで目を覚ますと、頬を涙がつたっていた・・・。



―――夢の中で、私は必死に鍵を探していた。

夢の中の私は、19か20歳くらい。

探しているのは、良くある真ちゅうの鍵ではなく、15センチから20センチもあろうかと言う大きな鍵。
・・・必死になって探し、見つけた紅い鍵や金色の鍵を手にとっては、落胆のため息をつく私・・・。

・・・どんなに探しても見つからない。

こんなに探しているのに見つからない・・・。

焦りが強くなり、悲しい気持ちがこみ上げてくる・・・。


・・・ここで目が覚め、泣いている事に気付いた。


探していたのは、当時一番手に入れたかったものの鍵。

なぜ今になってこんな夢を見たのか分からないけれど、後悔か羨望がまだ残っているのか、それとも単なる過去へのノスタルジックなのか・・・。


―――少し考えてみる・・・。


例えば、この世は「今」が一瞬にして「過去」に変わるけれど、実は時空的には世界は一つきりではないと考えてみる・・・。
今私が生きている世界と平行して、実はまだ「現在の私が生きている今」が訪れていない過去の世界(例えば私がまだ19か20歳の世界)が存在しているとしたら・・・・・。

ふたつの、或いはそれら複数の世界は平行、もしくは同じ速さで移行していて、物理的に絶対に交わる事はない。
でも、夢でその別世界同士が一瞬リンクしたのだったら・・・?

それじゃあ、あれは、過去を生きている私から気持ちが伝わって来たのかな・・・。

遠い私からの、切ないメッセージだったのかな・・・。


そこまで考えて、また切なくなった。


だったら、きっとあなたはもうじき気付くのでしょう・・・。

どれだけ探しても、その鍵が見つかる事は無い事を・・・。

どんなに切に望んでも、どれだけ努力しても、そしてどれ程お金を持っていようとも、人には絶対に手に入れられないものがあると言うことを・・・。

「縁」「運命」「宿命」・・・。

不確かで非現実的なもののようでいて、科学的に解明されていないだけで、実はとても強い力として存在しているのかもしれない、と私はいつも思っているもの。

存在は証明出来ないけれど、人生の岐路に立つ度に感じるもの・・・。



・・・大丈夫!!

恐ろしく一途で、そして壊れそうなほど弱くて純粋だった私へ・・・。

その鍵は手に入れることは出来ないけれど、違う形であなたの元にやって来るから。

そして、いつかあなたは強くなるから・・・。

抱きしめてあげたいけど、届かない遠い私。

ガンバレ!!

弱くて脆くて、でも必死でもがいていた私!


触れる事は出来ないけれど、遠くから想い出と一緒に見守っているから・・・・・。



中孝介―思い出のすぐそばで

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